「空き家の管理方法」
各地で空き家が増え、社会問題化しています。
その原因で最も多いのが、親が亡くなったり、施設に入ったりして実家に人が住まなくなるケースです。
こんなときに、どう対応したら良いのか?
空き家で困ったときの留意点をまとめてみました。
築40年の木造2階建て住宅。両親は他界し、娘は実家から離れた所に住んでいます。
2ヶ月に一度は様子を見に来ていましたが、仕事や義理の母の介護もあり、次第に足が遠のいてしまいました。
今は見回りをしてくれる業者に依頼し、料金は月1回の見回りで月額1500円。
2500円を上乗せすると、窓を開ける換気も頼めると言います。
家は古く、更地にして売却するほかないと思うが、でも自分の住んできた思いでの家をそう簡単には処分できないのが事実です。
隣近所に迷惑がかからないよう維持管理を続け、もう少しかけて気持ちの整理をつける考えです。
空き家問題では、実家を手放さないこと自体に問題はなく、大切なのは空き家のままで放置しないということなのです。
2015年から空き家の規制が強化され、倒壊の危険があるなど一定の条件に該当すると、固定資産税の優遇が受けられないうえ、50万円以下の過料が科せられることになりました。
自力の管理が難しい場合、頼りになる空き家管理サービスや整備業、不動産業、住宅メーカーなどが参入しており、サービスや料金も様々です。
部屋の通気なども頼む場合には、家の鍵を託すことになり、慎重さが必要です。
こういったことは電話でも頼めますが、契約前に一度は会っておき、どんな時に追加料金が発生するかなどを確認しておくことが大切です。
もちろん自力で管理する手もありますが、帰省費用などを考慮し、どちらが確実な管理になるのを考えて決めることです。
■壊すのは最後の手段
家の活用は、「住み継ぐ」「残す」「売る」「貸す」「壊す」に行き着きます。
一般的に、住み継ぐ予定がないなら、できるだけ早く売却や賃貸に回した方が買い手や借り手がつきやすいのです。
ただ、売るに売れない物件も珍しくありません。
幅4メートルの道路に2メートル以上接していない「再建築不可」の敷地に立つ家や、1981年6月に導入された「新耐震設計基準」を満たしていない家などです。
それでも空き家を壊すのは最後の手段と考えることです。
最近は、入居者が自由にリフォームできる物件が人気で、福祉や交流施設として再生する可能性もあります。
活用法を決める前に家の性能を知る必要もあります。
そのなかでも住宅診断の利用がお勧めです。
100平方メートルぐらいの家なら、目視で5万~10万円です。
住宅管理の業者を見つけ、欠損の有無や補修すべき場所が分かり、買い手や借り手のトラブルも防げます。