「中古住宅を高く売却する“コツ”とは」
住宅を売る時に見栄えを良くする「ホームステージング」
中古住宅を売却する際に、内覧向けに家具を片付け、レンタルの調度品を置くなどして魅力的に演出するホームステージングというサービスが広がっています。
ホームステージングのメリットとしては、室内の見栄えが良くなるとともに、購入希望者が新居での生活をイメージしやすくなり、スムーズな売却を図れることです。
ホームステージングは、1970年代に米国で始まり、現在は住宅を売却する際に一般に利用されています。
日本でも、2013年に専門業者による「一般社団法人日本ホームステージング協会」が設立されるなど、徐々に普及しつつあります。
所有者が住んだまま住宅を売却する場合、家具や衣類などを置いたままだと、購入希望者に乱雑なイメージを与えかねず、住宅そのものの価値を低いと思わせてしまう可能性があります。
そこで、内覧期間中は、案内を片付け、レンタルのインテリア類や観葉植物を置くなど、すっきりとした印象にするということです。
希望通りの金額で築50年ほどの一戸建て住宅を売却してマンションに引っ越した方の業者に依頼した事例では、子供が独立し、夫婦で住むには広すぎるため、売却することになりました。
古い家具が多かったため、一部の部屋でホテルにあるようなベットカバーをかけたり、棚の上のグラスをきれいに並べたりしてもらい、約3ケ月後に買い手が見つかり、売却代金でマンションを購入できたそうです。
料金は、29,000円(税抜き)からで部屋を元に戻したり、レンタル家具を持ち込んだりする場合は別途費用がかかるそうです。
その他、要望に応じて観葉植物やソファなどを置くなどがあります。
料金は、1部屋だけの場合で20,000~25,000円(税抜き)になります。
ホームステージングが広がる背景には、中古住宅市場の活発化があります。
日本では、住宅の売買は今まで新築が中心でしたが、中古住宅も質が高まるなどの理由から徐々に人気が出てきました。
今後はホームステージングのように、中古住宅を売却しやすくするサービスは本格化していくと見られます。
例えば売却するとき、ファミリー向けなら家具を子供が遊びやすいように配置するなど、購入者のニーズに合わせ、そこでの生活をイメージしやすくするのがポイントになります。
「こんな部屋に住みたい」という印象を持ってもらうことが大切です。
今後は、新築住宅よりも、こうした空き家になりそうな物件が中古住宅市場でどんどん増えつつあると考えられます。