「空き家 解体費用のローンと補助、補助金と固定資産税低減措置の適用」
空き家は少子化と人口の高齢化により確実に増加しています。
空き家が増加する要因としては高度成長期に郊外に建てられた住宅に住む住人の高齢化と、核家族による家族の分散化、高齢者が郊外から都心部へ住み替えを行っていることなどが考えられます。
空き家は放置しておくと不法投棄の原因となる捨て場を作っていまい放火を助長することになり、地震時における建物の倒壊で避難路を塞いでしまう危険性の増加など、多くのデメリットが指摘されています。
空き家 解体が進まない理由としては解体費用が小規模なものでも100万円程度要し、大規模なものだと数百万円におよぶ経費負担があります。
また、空き家 解体により固定資産税の軽減がなくなり税率が跳ね上がってしまうことが考えられます。
空き家の中には建築基準法による建物の道路に接する義務を満たしていない狭隘道路に面した建物もあり、所有者の解体意欲を削いでいます。
危機感を強める国土交通省は地方自治体と共に費用の補助をするために空き家再生等推進事業を進め、解体費用の4/5を上限とした補助金を地方自治体と共に負担する取り組みを行っています。
この制度は空き家所有者の要請により補助金を出して、所有者が自主的に空き家 解体を進めることができる制度です。
国土交通省と地方自治体は空き家対策特別措置法により、倒壊の恐れや治安維持のため空き家の取り壊しを行政が命令・指導できる体制を整えました。
行政により取り壊しを受けた建物の所有者には行政から費用の弁済を求められますが、支払いのできない所有者のために民間の金融機関等が空き家 解体のためのローンを用意しています。
一般の銀行ローンよりも安い金利が設定されており、空き家の所有者が解体費用の弁済のために利用することができます。
空き家を解体した場合に固定資産税の住宅用地優遇措置が適用されなくなることについて、国は固定資産税収の増加よりも空き家の撤去に要する財政負担が増えることの可能性が高いとの判断から、所有者が自主的に空き家を撤去した場合に固定資産税の住宅用地優遇措置を継続する政策をとろうとしています。
空き家問題は日本の人口問題や都市問題も絡んだ複雑な展開を見せており、所有者に任せて放置していたのでは社会的な問題に発展することは明らかです。
国土交通省と地方自治体は所有者への補助による空き家の自主的解体を進めると共に、危険性が高い場合に限り強制的な手段で解体を進めることも視野に入れた行政を行う必要があります。
そのために必要となる立法は国会においてすみやかな法制化が急がれます。
空き家 解体費用のローンと補助、補助金と固定資産税低減措置の適用