「不動産売却で知っておきたいこと」
不動産の取引を安心して行うために、知っておきたいポイントはたくさんあります。
そのなかでも自宅の売却を検討し始めてから、売却物件の売買契約を結び、物件を引き渡すまでの重要なポイントを列記しています。
どんな点に不安があるか、自分がどの段階にいるかによって、該当する項目をじっくり読んで、円滑な不動産取引を実現させましょう。
不動産取引の流れ
1、不動産売却の流れ
住まいを売却することは、何度も経験することではありません。
前もって売却全体の流れを理解しておけば行動しやすくなります。
ポイント①売却する理由
環境・経済状況の変化、ライフスタイルや家族構成の変化など、住まいを売却するのには様々な理由があります。
まずは、「子どもの成長に伴い、広い家に住み替えたい」「定年を機にUターンしたい」など、具体的に売却する理由を整理してみましょう。
そのいった中、「手元の資金はどの程度あるか」「住み替えの時期はいつ頃か」など、自分自身の経済状況、希望などを確認します。
以上のようなことを整理することで、売却時期、価格などの条件、新居を購入または賃借にするかなど今の住まいを売却せずに賃貸するといった住み替えのイメージを持つことができます。
ポイント②売却の流れ
売却する理由が整理できたら、次は売却の流れを見ていきます。
ステップ1 相場を知って、売却価格の目安を立てる
売却すると決めたら、どの程度で売れそうかの目安を立てます。
まずは、物件の周辺相場を知ることから始めるとよいでしょう。
ステップ2 不動産会社を探す
住まいを売却するためには、信頼できる不動産会社選びが大切です。
不動産会社の情報を幅広く収集しましょう。
ステップ3 物件価格の査定を依頼する
物件価格の査定を依頼するところから、不動産会社と取引が始まります。
住まいの売却価格ついて多くの意見を聞くためにも、複数社の不動産会社で査定してもらいます。
ステップ4 不動産会社に仲介を依頼する(媒介契約を結びます。)
正式に不動産会社へ売買の仲介を依頼する場合は、媒介契約を結びます。
媒介契約の主な形態は3つありますが、売却方法は自分の希望する内容に踏まえて、どの契約を結ぶか決定しましょう。
ステップ5 不動産を売り出す
価格の売り出しは、後の売却活動に大きく影響します。
自分の希望売却価格だけではなく、周辺の売却事例、市場の動向も踏まえて不動産会社の査定価格を慎重に決めましょう。
ステップ6 購入希望者と交渉する
購入希望者が現れたら、売却条件を交渉します。
価格の条件は最も重要ですが、その他の条件についても、譲れる点と譲れない点を明確にして、交渉を進めましょう。
ステップ7 物件情報を開示する
売買契約を結ぶ前には、できるだけ物件に関する情報を正確に購入希望者へ提供しましょう。
特に、契約締結後のトラブルを防止するためには、物件に不具合や欠陥などがある場合には、誠実に購入希望者に伝えることが大切です。
また、不動産会社が仲介する場合は、「重要事項説明」という制度に基づく詳細な物件説明を行いますので、物件調査を不動産会社に協力しましょう。
ステップ8 売買契約を結ぶ
売買条件が合意したら、売買契約を買い主と結びます。
一般的には物件価格の10~20%程度の手付金(契約金)を受け取ることになります。 売買契約を結ぶに当たっては、契約内容をしっかりと確認しましょう。
ステップ9 不動産を引き渡す
引き渡し手続きでは、同時に売買代金の受領と登記申請(抵当権抹消、所有権の移転等)を行います。設備・備品等の細かな取り扱いなどについても、現地立ち会いで買い主と行った上で十分に確認をしましょう。
また、引き渡した後の税務申告などの手続きも漏れのないよう気をつけましょう。
ポイント③買い換えは売却、購入どちらが先か
売却の場合、所有物件の売却時期と新たに取得する物件の購入時期をどのように調整するかが買い換えで大切なポイントです。
転勤や転校等の理由で住み替えの時期が決まっている場合には購入時期を、住み替えの予算に制限がある場合には売却価格を重視して検討を進めることになります。
したがって、売却と購入をある程度同時に進めるのか、売却と購入どちらを先行するのか、住み替えの事情などを十分に踏まえて買い換え計画を立てることが重要です。
売却と購入を並行して検討する場合
ある程度同時に売却と購入を検討する場合には、買い主と売り主とが価格や引き渡し時期などについて、バランスに配慮しながらそれぞれの交渉を進める必要があります。
ただし、相手方の意向にも契約条件は左右されますので、難しい交渉となる場合も考えられます。
売却を先に検討する場合
現在住まいの売却価格を先に決定した上で、新居の購入を進めていきます。
予定する売却価格を踏まえて、新居の購入を検討できますので、資金計画が立てやすくなります。
ただし、売却の契約を先に結ぶことになりますので、購入の進捗状況に応じて現在の住まいの引き渡し時期を調整する必要があります。
調整が難しい場合は、賃借で一時的に仮住まいを用意することも想定しなければいけません。
購入を先に検討する場合
住み替えの心配もなく、物件をじっくり選ぶことができます。
ただし、現在の住まいの売却代金を新居の購入に充てる場合には、ある程度余裕のある資金計画を立てる必要があります。
万が一、想定よりも売却価格が低かった場合に、現在の住まいのローンが残ったり、購入を断念せざるを得ないリスクもあります。
なお、買い換えには税制上の特例が適用される場合がありますので、資金計画を立てるに当たっては、どんな特例があるのか確認しておきましょう。